MG RV8

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蘇った栄光の紋章。
30年の歳月を経って蘇った一台のMGがあります。サーキットの勝者として、スピード記録を幾度となく塗り替えた車として、そして歴史的名車として栄光を手にしたMG。そのMGが、いま新しい歴史を始めようとしています。
<MG RV8>。
しかし、この新しいMGは、単に古き、良きMGの復活だけではありません。コンバーチブル・クーペとしての美しいラインと、低く、地を這うようなスタイリングは引き継ぎながら、そのデザイン・ディティールにさらに洗練を加えました。パワーユニットに3.9lV型8気筒エンジンを採用し、その走りは、パワフルで、しなやか。現代のスポーツ・カーとしての走りを身につけています。また、内装はMGの伝統にのっとり、シンプルかつエレガント。エルム・ウッド(楡材)で仕上げられたインパネ、コノリーレザーでまとめられ上げたシート、ドアトリム。英国の職人によって作り出された、英国の上質そのものです。
スポーツ・ファンのために蘇った<MG RV8>。しかし残念ながら、この車は限定生産。手にできるのは、世界の中でも限られた方だけです。この車のオーナーになること。それは、スタイルと走りを手にするだけではなく、歴史に残るクルマを手にすることなのです。
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エンジン、トランスミッション。MG伝統の走りがリファインされています。
<MG RV8>を駆動する3.9lV型8気筒エンジンは、かつてあのMGB GTに搭載された3.5lエンジンの流れを受け継ぎながらも、大幅なリファインを受けて生まれました。エンジンのアルミ合金化。ボアアップ。エレクトロニック・エンジン・マネジメントシステムの採用。伝統に最新の技術をプラスし、最高出力190PS(EEC)、最大トルク32.4kgm(EEC)を発生します。このエンジンの特徴は、3200回転で最大のパワーを発揮すること。アクセルを踏んでからわずか5.9秒で時速60マイル(約96km/h)に達するパワフルさと、5連ギアでも低速からの力強い追い越し加速を生み出すフレキシブルさを誇るパワーユニットです。トランスミッションは5速マニュアル・シフト。また190馬力のパワーをロスなく、コントローラブルに操るために、左右両輪にバランスよくトルク配分を行う「クワイフ・トルクバイアス」タイプの機械式リミテッド・スリップ・デフを採用しています。そして、駆動方式は、スポーツ・カーとして、当然のごとく、後輪駆動。滑らかさと、静かさも兼ね備えました。オーナーの意志に忠実に、機敏に、早く走ること。<MG RV8>は、MG伝統の走りをリファインして、1990年代のオーナーにお届けします。
あなたを包み込むのは、英国の職人芸です。
<MG RV8>。その内装は、数十年の経験をもつ英国の職人の手によるもの。センターコンソールやフェイシアパネルそしてドアモールに使用されているエルムウッド(楡材)は、密度が高く、うず巻きの美しい木目の部分だけを選び抜き、幾層にも重ね合わせ、鏡のように磨き上げられながら、一台一台の<MG RV8>のインテリアに合わせて丹念に仕上げられています。またシート全体を覆い、ドアトリムにも使われている天然皮革、コノリーレザーは、最高級の素材を使っているばかりではなく、オープンエア・ドライブを安心してお楽しみいただくために、水やしみを弾くポリマー加工が施されています。このコノリーレザーに包まれたシートは、サイドサポートに優れたスポーツ・スタイル。しかし、武骨なスポーツ・カーに見られるような機能一辺倒なものではんく、熟練した職人の手縫いルーシュ仕上げによる美しく、重厚なデザインで、室内にエレガントなイメージを与えています。インパネは、まさにMGそのもの。独立した6連丸型メーターでクラシックな美しさとブリティッシュ・スポーツのシンプルさを兼ね備えました。英国の上質をパッケージした<MG RV8>。完成した<MG RV8>は、約30kmのロードテストで最終的にチェックされ、この一台を待つ日本のオーナーの元へと、英国から旅立ちます。
1990年代のMGは、環境に優しい高性能です。
1990年代のスポーツ・カーは環境的であるべきだ。それが<MG RV8>に込められた思想です。まず、排気系。ツイン・エキゾーストシステムの採用と共に、巧妙な電子エンジン・マネージメントシステムを装備。常に、排気ガスをチェックしながら、エンジン室内の燃料とエアの混合比を調節し、有害な廃棄物を最小限に抑えます。環境に優しい1990年代の高性能を目指しました。その他にも<MG RV8>には環境を考慮した数々のポイントがあります。使用されている塗料は、すべて無鉛。製造には、人体に有害なCFCフロンガス、アスベストも使われていません。また、内装に使われているエルム・ウッドは、寿命を終え、自然倒木したものの中から厳選して使用。そして、何よりも1台のクルマに永く乗っていただくことも、環境に優しいことになる。そのために<MG RV8>は、MGの伝統の全鋼鉄構造のボディパネルと強固なボックス構造に加えて、ボディに施された万全の防錆処理により秀れた耐久性を達成しました。オーナーに愛されるクルマ。オーナーに乗り続けてもらえるクルマ。<MG RV8>は、永遠のオーナーズ・カーです。
レーシング・カーの足を持つ高級車とお考えください。
レースによって培われた技術。それが、MGのサスペンションにも生きています。フロントは、秀れた接地性のダブルウィッシュボーン。しかもMGは、F-1グランプリカー譲りのメカニズムです。最高の強度と信頼性を確保するために足回りのジョイントにはF-1の実車でも使用されているゴールドライン・スペリカル(球面)ベアリングを採用しています。リヤサスペンションはツインのトルク・コントロール・アームを装備。荒れた路面やハード・コーナリングの際に現れやすい「バンプ・ステア」を防ぐこのサスペンションが、<MG RV8>をシャープに、かつ安定して走らせます。このレーシング・カー級のシャーシに乗るのは、高級車のボディ。ホロのオープン/クローズに関わらずオーナーが<MG RV8>を離れた際、エンジンが作動できなくなるリモコン盗難防止警報システム、FM/AM電子ステレオカセット、6連奏CDオートチェンジャー(オプション)、エアコンディショナーなどの装備。そして、コンバーチブルであることを忘れさせるような、強靱で、美しい<Tickford>製のソフト・トップ。リアウインドウはジッパー開閉式、またベージュ色のトノカバーも装備しています。そして何よりも<MG RV8>のデザインは情熱的なオープンエア・ドライビングが基本。肌寒い季節でも大容量ヒーターにより、心地よく髪に当たる風を味わう事が出来ます。要約すれば、この高級スポーツカーに生きるコンセプトとは「MGの伝統に忠実である」という事です。スポーツ・カーの走り。コンバーチブルの爽快さ。サルーンとしての品質。世界の中の限られた人だけがプライドを持って所有できるクルマ、それが<MG RV8>です。
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